約20年ぶりにリーバイスのデニムを手に入れた話。リーバイスの復刻版501、1984年モデル。

2021年10月13日

学6年生の誕生日。

母にリーバイスのデニムを買ってもらったことを今でもはっきりと覚えています。

モデルはブーツカットの517(※1)

ユーズドライクなウォッシュがかけられた淡いブルーの色味が、少年だった私の心をガッチリととらえたのでした。

ウエストにゴムが入っていないことに感動し、目の詰まった頑丈な生地に感動し、まるで本当に穿き古したかのようなウォッシュ加工に感動しました。

足を通すと大人に近づいた気持ちになり嬉しかったものです。

小学6年生の私なりに大事に穿いていたつもりですが、そこはまだまだ小学生…。

そのデニムを穿いてドッジボールもすれば、廊下で意味も無くスライディングもしました(頻繁に)。

案の定、ひざに穴が空き、ユーズド加工に拍車がかかることになったのでした。

思えば、このリーバイス517との出会いがなければ、今ほどファッションアイテムに興味を持っていなかったかもしれません。

出会いとは不思議な巡り合わせですね。

リーバイスと言えばこのポケットのステッチと赤タグ。

小学6年でのその出会いがきっかけとなり、中学生になるとデニム(特にリーバイス)に夢中になりました。

それはそれは色んな型番のリーバイスを片っ端から買って楽しんだものです(もはや研究)。

けれど、これは別の物語。いつかまた別のときにはなすことにします。

約20年ぶりにリーバイスを買う

さて、思い出に浸るのはこのあたりにして、そろそろ本題に移ります。

今年、約20年ぶりにリーバイスのデニムを買いました。

きっかけはいつも突然です。

暇つぶしに、目的もなく、リーバイスのホームページを見ていた時のことです(リーバイス、すまん)。

LVCシリーズ(=いわゆる復刻版シリーズ)に自分生まれた年の復刻モデルが発売されていることを知ります。

自分の誕生年の復刻版…

つまりそれだけ私も年を重ねたということ。

しかし、生まれ年のモデルとあらば、特別感はひとしおです。

よし、買おう。

もう、これだけです、きっかけは。

リーバイスの501(1984年モデル)

手に入れたのは、これ。

Levi’s / 501 (1984 501 “TANGLED WEB”)

リーバイス・ヴィンテージ・クロージング(LVC)の501、1984年モデル。

の、

スパイダーがプリントされた限定モデルです。

見ての通り蜘蛛クモちゃんがいますが、これはプリントなので動かないから安心です(ほっ)。

前と後、全貌を見てみましょう。

501なのでシルエットはド定番の王道ストレートですが、股下は短めにカットされた仕様。

まえ。
うしろ。

デザイン面の率直な感想は、

えっと…。

ダサい…。

しかしながら、このダサさが妙にツボってしまって買いました。

裾口にデザインされたクモの巣のプリントなんて…

もう…ねぇ…

言葉も出ません。

絶句。

けれど、このデニム、限定品ということもあって、しかもこのデザインセンスということもあって、他の人とはほとんどかぶらなさそうです。

それに、穿いてみると意外と派手には見えないです(本当か?)。

そういうところもしっかり考えたデザインをしているのでしょうね、すごいなリーバイス。

ギャラリー

ここからは写真とひとことコメントをつらつらと載せていきます。

モデルは501なのでフロントはボタンフライ。
バックパッチは新品時からこのボロボロ加減。レングス表記はブランクです。
裾口のスレ加工。
ペラリとめくると赤耳が現れます。こんにちは。
ひざのリペア加工のアップ。
裏返すとこのようになっています。
付属品として、こんな手紙も付いていました(※2)。
「放課後、体育館の裏に来い」とかではないので安心しました。

まとめ

約20年ぶりにリーバイスのデニムを買いましたが、正直な感想を端的にまとめます。

デニムそのもののクオリティは当時のものよりも落ちています。

現行の復刻版ラインのデニムクオリティはどんなものかと楽しみにしていましたが、この点に関しては少々がっかり。

手に取って、触れてみて、「うわぁ~すごいなぁ!」という感動には乏しいです。

私が年を取っただけなのかも(ぬ…)。

デニムの質感と引き換え、プリント技術や加工技術は素晴らしいです。

加工技術とその工賃、あとは多少の希少性(※3)に対しての定価設定なのかなと思われます。


何はともあれ、随分と久々のリーバイス体験。

着用機会はきっとさほど多くはないでしょうが、穿いた折には楽しみたいと思います。

スライディングはしないように気を付けます。

注釈

(※1)ブーツカットの517
リーバイスの517と言えば「サドルマン」の愛称で知られるブーツカットのド定番モデルです。小学生の私にはカウボーイが穿くこのブーツカットがひときわかっこよく映りました(なぜだろう)。ファースト・リーバイスに505や501ではなく、あえて517を選択する小学生とは一体どんなひねくれ者だったのだろうかと今日もぼんやり考えてしまいます。

(※2)こんな手紙も付いていました
つたない私の英語力で内容を訳してみました(下記)。できるだけ分かりやすくするために意訳&省略している箇所もあるため、細かいニュアンスまでの翻訳はしていません(できません)。なお、手紙後半の商品詳細クレジットは割愛しています。

この501ジーンズを購入された方へ

1984年ごろ

技術の進歩によって、幅の広い生地の生産が可能になり、リーバイスは”ワイド・グッズ”のデニム生地を501に使用し始めました。

この頃、アメリカでは新しいタイプの消費者、いわゆる「ヤッピー」が台頭します。
高級志向の彼らは1980年代の現物主義論を具現化することになります。

それに対して、自己誇示のために消費をする行為をさほどかっこいいものだと思わなかったグループも存在し、彼らによって無数の新しいサブカルチャーが誕生しました。
彼らは、芸術、音楽、ファッションを通して、消費主義や政治への不満を表現したのです。
そして、彼らに共通していたものこそが、「リーバイス」だったのです。

ジーンズを楽しんでください。

”ザ・オリジナル・ジーンズ”

このような内容です。
つまり、リーバイスは高級ブランド品を消費するヤッピーと呼ばれる若い富裕層(金融業のエリートサラリーマンなど)を当時は(当時から)ターゲットにしてはおらず、対して、それらに嫌悪感を示すグループから絶大な指示を受けていた、ということが分かります。
ブランドの存在意義やブランディング手法などが社会的な背景と共に共存し、対応関係にあることは大変興味深いです。
今回の例はあくまでも当時のアメリカ国内での話であって、日本ではどのような位置づけだったのかは分かりませんが、日本における立ち位置を調べてみるのもこれまたおもしろそうです。

(※3)多少の希少性
内側に「68 of 501」と手書きの小さなタグがあるのを発見したので501本限定なんでしょうか(違うかな)。仮に501本限定だとしても希少性からするとたいしたことはありません。少なくとも残り500本も同じ製品が世界中に転がっているわけですから。

スペック

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