気に入っているアイテムを処分するのは 気が咎めるものです。
劣化などによって物理的に使用することが困難な状態になってしまったモノなら仕方がありませんが、
まだまだ使えるアイテムを処分する場合は やはり気おくれしてしまいます。
とは言っても、買ったすべてのモノをお人好し精神よろしく ずっと所有しておくこともなかなか難しい問題です。
先日、リモワのスーツケースを新調した記事を書きましたが、新調した理由は本稿の通り、今回紹介をするガンゾのスーツケースを処分したからです。
(参考記事)さぁ旅に出よう。リモワのスーツケース、クラシックキャビンS(RIMOWA Classic Cabin S)
処分するついでに、このガンゾのスーツケースの良いところ、悪いところ、正直なレビューを投稿します。
処分の理由
はじめに、誤解が無いように 声を大にして言っておきます。
このガンゾのスーツーケース、とてもとても気に入っていたんです。
革製品が好きな私からすると、「革張りのキャリーケースは珍しい」、「手ごろなサイズ」「安心感のある日本製」、「エイジングが楽しめる」など、本当に魅力がたくさん。
しかし、1点だけどうしても許せないところがありました。
それが、これ。
そうなんです、
荷物をたくさん詰めすぎるとバランスのせいで勝手に倒れてくるんです。
個体差もあるかもしれませんが、私の所有していたモノは荷物を詰めすぎると「もう無理ッス」と言わんばかりにことごとく勝手に倒れました。
(実際に彼がそう言ったのを何度か聞きました。)
GANZOのキャリーケース
処分した理由は「勝手に倒れてくること」のみで、それ以外は本当に気に入っていました。
ここからは、GANZOのキャリーケース(スーツケース)について写真を交えて紹介します。
外観
まずは外観。
正面から見ると少しもっさりしたフォルム。自分を見ているようです。
このように ぐるっと全面がレザー張りのキャリーケース(スーツケース)。
この仕様こそがお気に入りポイントです(でした)。
外観(ディテール)
ここからは 外観の細部を見ていきましょう。
ホイールは四輪仕様。
底張りもきちんとレザーで仕立てられています。抜かりなし。
今思えば、このホイールのサイズが勝手に倒れる原因のひとつのような気がします(勝手な推測)。
本体の大きさに対してホイールが小振りなので、上体を支えきれずにズッコケてしまうのではなかろうか。
そう、例えるなら彼のようなバランス感。
やあやあ、どうもどうも。
ハンドルは3段階の高さ変更が可能です。
カチッと音が鳴って所定場所で固定される仕組みです(よくあるやつ)。
仕様上の問題で仕方のないことですが、この箇所はレザーではなく強化プラスチックです。
↓
この持ち手部分をなんとか改善したいと考えたガンゾさん、苦肉の策として(?)レザーパーツを後付けしてくれています。
個人的には「微妙」のひとこと…。
けれどきっと、レザーの統一感を少しでも表現したかったのでしょうね、頑張った頑張った。
実際に使用していると、このレザーパーツが徐々にズレてきてしまって真ん中のボタンがうまく押せなかったり、
暇なときにスナップボタンをパチンパチンして遊んだりしてレザーパーツが外れやすくなってしまいました(これは私の責任)。
レザーならではのグリップのフィーリングが心地良いものの、良い点として挙げられるのはその点のみでした。
内装
続いて内装です。
① 外ポケット
② メインポケット
の2つのスペースがあります。
外ポケットの中には、ペン差しや小分けのポケットもついているのでとても使いやすい。
サッと取り出したい財布や小物を入れておくのに役立ちます。
メインのポケットはガバッと大きく開く仕様。
↑
外ポケット裏側にはパソコンなどを入れることができるファスナー付きポケットも付いています。
毎度毎度 こんなにもガバッと開くのもなんだかな…というわけで、このように留めて半開きにすることもできます。大変優秀。
メインポケットにはこのような仕切り板が付いています。
空港や駅で突如スーツケースを開かなくてはならない状況になったときの唯一のバリケード。
中に詰め込んでいるエロ本やお風呂に浮かばせて遊ぶつもりのアヒルのオモチャなんかを他人に見られずに済みますね。
肝心のメインポケット(荷室)はこのようなデザイン。
適度な深さがあり、容量もばっちり(20リットルです)。
季節にもよりますが1泊2日の利用には余裕です。
外観は黒のレザー張りですが、内側は全体がベージュのコットン張りになっているので視認性も良好です。
付属品
最後に付属品です。
メインポケットを施錠するために、このような南京錠が付いています。
この南京錠は非常にロークオリティです、おまけ程度のモノだと考えた方がいいでしょう。
ネームタグも付属しています。
同色でかなりシンプルなデザイン。
(写真を撮り忘れましたが、ロゴ入りの布製保存袋も付属品として付いています。)
革の質感
本アイテムにはガンゾの「7QS-H」(※1)というラインの商品。
「Seven Qualities Shrink – HIDA」の略で、岐阜県内で飼育された飛騨牛(黒毛和牛)の革が使われたシリーズです。
シュリンクレザーなので耐傷性があることに加え、凹凸があるので表情も面白いです。
まとめ
今回はGANZOのレザーキャリーケース(スーツケース)(※2)をレビューしました。
処分してしまったため 手元にはもう無いですが、質感やサイズ感などは好みの逸品でした。
レザーのキャリーケース(スーツケース)は探しても良質のモノは案外なく、冒頭で触れた「勝手に倒れる問題」がなければ、今も大切に所有していたことでしょう。
買って、使って、そこで初めて気が付くことってありますね。
お別れは寂しいですが、良い経験になりました。
注釈
(※1)7QS-H
ガンゾが展開するラインのひとつで「Seven Qualities Shrink – HIDA」の略です。最後の「HIDA」とは岐阜県の「飛騨」のこと。飛騨牛の革を使ったシリーズというわけです。以下、ガンゾのHPからの引用です。
セブンクオリティーズとは、「素材」「裁断」「すき」「縫製」「へり返し」「磨き」「仕上げ」の7工程、すべてにおいて上質を追求するGANZOのスピリットを込め、命名。
飛騨牛(ひだぎゅう)は、岐阜県の主に飛騨地方で肥育される黒毛和牛である。
[品種]:黒毛和種
[地理的表示]:岐阜県内で14ヶ月以上肥育
[格付け]:日本食肉格付協会の枝肉格付で肉質等級が3以上、歩留等級がAまたはB以上の全てを満たす牛肉が飛騨牛(ひだぎゅう)と呼ばれる。上記の基準を満たした飛騨牛を直接飛騨からチルド保存し生のまま、ベジタブルタンニンで鞣す。 特殊なオイルと染料で芯通しで染め仕上げられ、その革は独特の風合いと手触りを生み出す。 飛騨牛がゆえの革の厚みとしっかり感とアジをお愉しみいただきたい。GANZOがこだわった日本製レザー。
とにこかくにも、美味しそうである。
(※2)キャリーケース(スーツケース)
本稿では、「キャリーケース」と記載していたり「スーツケース」と記載していたり、統一性がなくて申し訳ありません。私の中では この手のいわゆる「コロコロ」は全て「スーツケース」と言ってしまうのですが、ガンゾでは本アイテムを「キャリーケース」という商品名で展開しているため、このように二重表記をせざるを得なかった次第です。
「トランク」「トロリーケース」「ラゲッジ」というように 他にも様々な言い方があり、人によってそれが何を指すのかが三者三様です、面白いですね。「キャリーバッグ」という言い方もありますね。「きゃりーぱみゅぱみゅ」という人物もいます。関係ない。
スペック
- ブランド :GANZO(ガンゾ)
- 商品名 :7QS-H (ナナキューエス-エイチ)キャリーケース
- ライン :7QS-H (ナナキューエス-エイチ)
- 品番 :57695
- カラー :ブラック
- 素材 :牛革
- サイズ :高さ 46 × 幅 35 × 奥行25(cm)
- 重さ :約3.6kg
- 容量 :20リットル
- 仕様 :ファスナーポケット×2(本体内部)、【外ポケット部】ポケット×2、ペン差×1、機内持ち込み可、四輪キャスター、ハンドル3段階調整
- 生産国 :日本
- 価格 :130,000JPY(plus tax)